ゴミと呼ばれて―刑務所の中の落ちこぼれ を読んで

ゴミと呼ばれて―刑務所の中の落ちこぼれ

 

正確にはまだ完読していないのだが、一昨日から昨日にかけて気になるページをパラパラと読んで、自身の体験と重なる部分が多く驚きつつ、胸を打たれている。

易しい読み口で、一息に読めそうだ。

けれど我慢できずにAmazonでレビューを書いてしまった。

 


人生はやり直せる


覚せい剤という依存性の強い薬物によって依存症になってしまった方の半世紀。
どういう経緯でそうなってしまったのか。服役している最中何を思っていたのか。どういう出来事が起こるのか。
何故更生したいと思えなかったのか。何が足りなかったのか。

そしてどうして更生しようという気になったのか。

孤独から解放され、人を信じることをできるようになり、誠実に生きるようになり、日々努力されている方の物語です。

アルコール以上に強い依存性を持つのかもしれない薬物の誘惑を退け、毎日を過ごしていらっしゃる姿に多くの方が励まされるのではないでしょうか。
私は励まされました。
躓いてしまった人が立ち上がり生きがいを取り戻すのに必要なのは懲罰ではなく癒しなのかな、と自身の体験と重ね合わせてもそう強く思えます。
先ず本人が更生したいと強く思わなければ治療に結び付きませんし、そう思うための動機はやはり他者から受容されることなのでしょう。そして本人が主体的に行動を始めたら周囲、社会は必要に応じて手を差し伸べてくれる。そんな社会を望んでしまいます。

沢山の傷つきを経た著者の、現在の、生きがいをもって行動をされているお姿は沢山の人を勇気づけてくれるはず。
特に、依存症患者さんや虐待などの辛い経験をしてきた方にはより強く響くと思います。
そしてその支援に携わっている方にとっても参考になる部分があるかもしれません。
そして収益が寄付されるという事もまた素敵です。
とても価値がある本でした。

 

 

まぁ完読してから書こうよ自分。