男らしさ・強さへの憧れ

必勝

 


 

思い当たるふしがある。私自身もタバコを吸っていた。

ラッキーストライクを吸って、セブンスターも吸った、若葉も吸った。味がわかっていたわけではないと思う。タバコ屋やコンビニで「ラッキーください。セッターください。若葉ください。」そう言いたかった。「何吸ってんの?セッター、おお、強いの吸っているね。」そういう会話を正直、花田隠していた・・鼻高くしていた。「若葉! おぉ渋いね。」それが格好いいと。また、喫煙所で見知らぬ人とコミュニケーションをとれることに価値を感じていたし今もその点、ちょっと羨ましく思ってもいる。

自宅では基本酒を飲まないのに外で酒を飲むのも似た理由だろう。 

セルフネグレクトが男らしさ」たしかにある。

 

正直、酒を飲んで。タバコをふかして。 侃侃諤諤口角泡を飛ばして議論を交わし、そして知識で上回って言い負かす。

マウントを取る。

 

「勝つ」

 

そういったことが格好いいと思っていた。 

現在も男らしさ…?というより「強さ」への憧れがある。

強さイコール男らしさだろうか?

そうかもしれない。

強さと言われて、女らしいと考えるよりは男らしいと考える。

女には女の強さがあるという表現は大した違和感を感じないが、男に男の強さがあると言われると、やはり違和感を感じる。 

男に強さ女に優しさを求める。

ジェンダー…と言えそうだが、価値観という表現の方が近いだろうか? 

望ましいとされる男性像と言ってもいいのか? 

葉巻を嗜む紳士・ジェントルマンに違和感は感じないが、葉巻・パイプを嗜む、香りを楽しむ淑女・レディはどうだろう?

本音としては、まずイメージとして描かれるのがばカウンター・・・バーカウンターで葉巻を燻らせつつウィスキィを楽しむ紳士だ。 

ならば、やはり女らしいわけではない。男らしいのだ。 

では私は男らしくなりたいのか。

お金持ちの奥様よりも、成功者当事者になりたい。

その通りだ。

「男には頼らないぜ、私が成功者だ! 様々なことに精通しているぜ。」

バイクにまたがり、スポーツカーを乗り回して。しかもそれもイメージではない。このエンジンが好きだとかなんとかわかったふうなことを言ってみたい。言いたい。それが格好いい。そういった価値観だ。

このホイールベースの短さが。この車高の低さが。これは駆動輪がどうで、かつエンジンがどこに載っている、何気筒だ。直列だ並列だV型だ。 空冷水冷油冷。

そういう単語を口から吐きたかった。それを知っていることがカッコいいと思っていた。わかったふうな顔をしたかった。頭がいいという評価が欲しかった。

 

子供じみてるその通りだ。だが事実だ。今でもそうだ。これはこうこうこういう理屈だからこうなのだ。そういう風に口から吐き出したい、そして周りから格好いいという評価、頭がいいという評価を得たい。

 

一番になりたい。

 

そういう欲望がある。かっこ悪い。