窃盗を繰り返していたころは、未来は勿論、今さえも見ていなかったように思う。
どこにも焦点があっておらず、目は開いているかもしれないが何を映していて何を考えていたのか、とにかくぼんやりとしていた、或いはぼんやりとしか思い出せない。
未来への展望というものがとにかく無かった。
それは、もしかすると12歳ころからかもしれない。
そして、ただぼんやりと毎日を送っていて、意識下では焦りが出てきた。
万引きが加速した原因の一つだろう。
過去に目を向けるのは、自己憐憫そのもので格好悪いことだと考えていた。
他責はよくないのだと。
過去の清算の必要性を考える。
過去の出来事に関して区切りをつけた方が内心のストレスは和らぐのだ。
未来への展望。
それを多少なりとも持てば、今したいこと、もしくはするべき事も見えてくる。